先日、名古屋芸術大学で行なわれた樂吉左衛門氏の公開講座のメモ。
佐川美術館で茶室を設計したときの話
「セメントに墨汁を入れて黒いコンクリートはできませんか?」と尋ねて怒られた。
茶室の設計で最初にするのは,どこに建てるのか?という場の選択。
予約して見ることができる佐川美術館の茶室
おすすめの時間は午後3時過ぎ。
茶室は西に向いているのでスリットから入る夕方の光がいい。
長次郎の茶碗 現代美術と対等。
伝統と現代 分かれていない。
茶碗は何センチ、何グラムがいいのかと言う質問を受けることがあるが、
そういう外からの判断では,その人は一生茶碗は作れない。
光悦が好き。
光悦は身体性,感覚的広がりを持つ。
70年代 土方 巽、武満 徹、一柳 慧 好きだった。
子供の頃、父親に「お前みたいに気の弱いようでは,この家は継げん」と言われた。
自分の名前も言えないような「ぼん坊ちゃん」だった。
茶碗を作るとき、最初にイメージしない。
ひとつ、ひとつ即興。
こんな茶碗ができちゃった。という感じ。
一番好きなのは,コントロールできない火に託すということ。
絵画のように最後まで自己意識でやるのは辛い。
徒然草の
「花は盛りに、月は隈なきをのみ見るものかは。
雨に向かひて月を恋ひ、垂れ込めて春の行方知らぬも、なほあはれに情け深し。
咲きぬべきほどの梢、散りしをれたる庭などこそ、見どころ多けれ。」
完全性を否定しているところ、まさに長次郎の黒茶碗だと感じた。
かき揚げうどん(330円)@名古屋芸術大学の学食